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心不全に対する訪問看護とは?再入院を防ぐ看護と心臓リハビリの連携

心不全に対する訪問看護は、悪化してから対応するだけではありません。

安静時と労作時の変化を捉え、看護とリハビリが連携しながら、再入院を防ぐための支援を続けます。

目指すのは、自宅での生活を1日でも長く続け、再入院をできる限り防ぐこと。

そのために、体重やむくみだけでなく、「生活の中で体がどう反応しているか」を継続して確認します。

心不全に対する訪問看護とは?

心不全に対する訪問看護で、在宅の変化を看護・リハビリ・主治医が共有する連携図

心不全は、心臓の働きが低下し、息切れやむくみ、だるさなどが現れる状態です。症状が落ち着いて退院しても、食事、内服、活動量などの変化をきっかけに再び悪化することがあります。

訪問看護では、主治医の指示に基づいて看護師などがご自宅を訪問します。心不全の状態と実際の暮らしを一緒に見ながら、小さな変化を早めに捉え、必要に応じて主治医や関係職種へつなぎます。

大切なのは、症状が強くなってから対応することだけではありません。悪化の兆候を早く見つけ、ご本人・ご家族が日々の変化に気づけるようにする予防的な関わりです。

再入院を防ぐために評価すること

体調は、安静にしているときだけでは分かりません。訪問看護とリハビリでは、次の項目を単独で見るのではなく、前回までの経過や生活状況と合わせて評価します。

安静時・労作時の全身状態

呼吸状態、血圧、脈拍、必要に応じた酸素飽和度などを確認します。さらに、歩行、トイレ、更衣、入浴、階段といった生活動作で、息切れや動悸、疲労がどの程度出るか、休むとどのくらいで回復するかを見ます。

体重の変化

心不全では、体に水分がたまることで体重が増えることがあります。毎日できるだけ同じ条件で測り、1回の数値だけでなく変化の流れを確認することが大切です。数日で2〜3kgの急な増加は悪化の可能性があるとされますが、連絡の基準は病状によって異なるため、あらかじめ主治医や訪問看護師と決めておきます。

不整脈・むくみ

脈の乱れ、動悸、めまい、ふらつきの有無を確認します。足首やすねのむくみ、靴下の跡、靴のきつさなども、体液量の変化を知る手がかりです。いつから、どの場面で、どの程度起きたかを主治医と共有します。

活動量

動かなさすぎると体力が落ち、頑張りすぎると心臓への負担になることがあります。「何歩なら大丈夫か」だけでなく、どの動作で症状が出たか、翌日に疲れが残っていないかなどを確認し、その方に合った活動量を検討します。

食事・水分・内服状況

塩分の多い食事が続いていないか、食欲が落ちていないか、水分量は指示された範囲かを確認します。内服については、飲み忘れ、飲む時間、残薬、利尿薬を飲んだ後の排尿、気になる症状などを一緒に整理します。

看護と心臓リハビリは、なぜ連携が必要?

心臓リハビリテーション(心リハ)は、運動だけを行うものではありません。医学的な評価に基づく運動療法に加え、服薬、食事、生活習慣、再発予防などを多職種で支える包括的なプログラムです。

病院や外来の心リハで決めた方針を、実際の暮らしにつなぐ場が在宅です。訪問看護と訪問リハビリは、心リハそのものと同じ制度ではありませんが、その考え方や評価を共有することで、退院後の支援を切れ目なく続けられます。

看護が捉えること

  • 病状やバイタルサインの変化
  • 体重、むくみ、呼吸状態、不整脈
  • 食事、水分、排泄、睡眠、内服状況
  • ご本人・ご家族の不安やセルフケアの状況

リハビリが捉えること

  • 歩行や生活動作に対する体の反応
  • 息切れや疲労が出る負荷量
  • 休憩後の回復にかかる時間
  • 安全に続けられる動作方法と生活環境

両者が情報を合わせ、主治医や病院の心リハチーム、ケアマネジャーなどと共有することで、体調と生活に合った支援を検討できます。

負荷量はどう検討する?

心不全の運動や活動量は、全員に同じ基準を当てはめるものではありません。主治医の方針や病院での評価を前提に、活動の前・最中・後を比べます。

  • 脈拍、血圧、必要に応じた酸素飽和度の変化
  • 不整脈、息切れ、動悸、胸部症状、疲労の有無
  • 休憩すると元の状態へ戻るか、回復に何分かかるか
  • 活動した日の夜や翌日に、疲労やむくみが増えていないか
  • 主治医から指示された制限や中止基準を守れているか

評価した内容を看護・リハビリで共有し、「今の負荷を続けるか」「休憩の取り方を変えるか」「主治医へ相談するか」を検討します。自己判断で運動量を増やさないことが重要です。

在宅では、活動量・食事・内服を一緒に見る

心不全の在宅支援では、数値だけでなく生活全体を見る必要があります。例えば、外出が増えた日に外食が重なり、内服時間がずれたというように、活動・食事・内服は互いに影響します。

体重や血圧、症状、食事、内服、活動内容を無理なく記録できる形に整えると、ご本人も変化に気づきやすくなります。訪問のない日を含めて「いつ、誰に連絡するか」まで決めておくことが、早めの対応につながります。

再入院を防ぐための連携の流れ

  1. 日々の変化を記録する
    体重、むくみ、息切れ、脈、活動量、食事、内服などを確認します。
  2. 訪問時に安静時・労作時を評価する
    数値と生活動作の両方から、前回との違いを捉えます。
  3. 看護とリハビリで情報を合わせる
    病状、生活動作、負荷量を一つの情報として整理します。
  4. 必要時は主治医や心リハチームへ相談する
    悪化が疑われる場合や負荷量の見直しが必要な場合に連携します。
  5. 支援内容を調整して続ける
    体調に合わせて、活動、休憩、セルフケアの方法を見直します。

心不全の悪化を疑うサイン

  • 体重が短期間で急に増えた
  • 以前より息切れしやすい、横になると苦しい
  • 足のむくみが強くなった
  • 動悸、脈の乱れ、めまい、ふらつきがある
  • 食欲がない、強いだるさが続く
  • 同じ生活動作でも休憩が増え、回復に時間がかかる

強い息苦しさ、胸の痛み、意識がもうろうとするなど緊急性の高い症状がある場合は、あらかじめ主治医から受けた指示に従い、必要に応じて救急要請をしてください。

心不全の訪問看護でよくある質問

心不全では、いつから訪問看護を検討すればよいですか?

退院直後だけでなく、体重やむくみの管理が難しい、服薬に不安がある、以前より生活動作で息切れしやすいといった段階でも相談できます。訪問看護の利用には原則として主治医の訪問看護指示書が必要なため、主治医、病院の地域連携室、ケアマネジャー、訪問看護ステーションへご相談ください。

体重は毎日測った方がよいですか?

体液量の変化に気づく手がかりになるため、可能であれば毎日できるだけ同じ条件で測り、数値の流れを記録します。ただし、測定方法や主治医へ連絡する基準は病状によって異なります。無理なく続けられる方法を主治医や訪問看護師と決めることが大切です。

心不全があっても、自宅で運動できますか?

運動や活動量は、心不全の状態と主治医の方針によって異なります。自己判断で負荷を増やさず、活動前・活動中・活動後の脈拍、血圧、息切れ、動悸、疲労、回復時間などを確認しながら、その方に合う方法を検討します。

どのような変化があれば連絡した方がよいですか?

急な体重増加、息切れやむくみの悪化、動悸、脈の乱れ、食欲低下、強いだるさなどは相談の目安になります。連絡基準は一人ひとり異なるため、安定している時期に「どの変化があれば、いつ、誰へ連絡するか」を決めておきます。強い息苦しさ、胸の痛み、意識の変化がある場合は、主治医から受けた指示に従い、必要に応じて救急要請をしてください。

福井市で心不全の在宅療養を考えている方へ

アトリエ訪問看護ステーションでは、看護師とリハビリ職が、主治医やケアマネジャーなどと連携しながら在宅療養を支援します。

退院後の体調管理、服薬、食事、日常生活や運動への不安など、支援内容は病状と主治医の指示に合わせて検討します。「訪問看護を利用できるか分からない」という段階でもご相談ください。

※本記事は一般的な情報を提供するもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。運動量、塩分・水分摂取、薬の変更については、必ず主治医などの指示に従ってください。

この記事の作成・確認について

作成・編集:アトリエ訪問看護ステーション
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本記事は、日本循環器学会/日本心不全学会「2025年改訂版 心不全診療ガイドライン」、日本心不全学会「心不全手帳」、日本心臓リハビリテーション学会の公開情報を参照し、在宅支援の視点から一般向けに作成しています。

最終確認日:2026年8月14日

参考資料

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